病床数150床の病院とサテライトクリニック、老健施設を有する医療法人。近隣の急性期系病院が次々に新棟を建設し集患力を高める中で、当法人の理事長には、急性期機能強化のための新棟建設と、新棟が病院のシンボルとなるような建物をつくりたいという強い想いがありました。しかし、法人としてその決断ができない状況でした。法人として決断できなかった2つの理由理事長の中にある”急性期機能強化と新棟建設”への想いは強い一方で、法人として決断できない理由が2つありました。1つ目は、現状の経営状況を可視化することができていないために新棟建設の具体的な話ができなかったことです。現状の経営状況を可視化するために内部環境分析と外部環境分析を行います。例えば、内部環境分析であれば、同規模・同機能病院と比較して財務状態は健全か現在の患者層、職員数からして現在の病棟構成が妥当か新棟建設に向けてさらにバリューアップできる要素がないかなどの分析が挙げられます。外部環境の整理含めて、現在の経営状況の妥当性を明らかにすることができていなかったため、当然、新棟の概算投資額や建設までのスケジュール、新棟建設後の収支シミュレーションなど具体的な話をすることができない状況でした。2つ目は、理事長の想いが医師を含む職員に通じていなかったことです。法人全体の経営管理に加えて、日々の臨床、社外活動など多忙な理事長は、一番身近な医師にもこの想いを正しく伝えることができていない状況でした。私たちが現場職員へのヒアリングを行ったところ、理事長の想いを正しく理解し、同じ温度感で話をできる職員は1人もいませんでした。現状分析の実施と新棟の構想案(コンセプト)の策定そんな状況を踏まえて、まずは、現状分析を実施しました。現状分析では、”急性期機能強化と新棟建設”に向けて、更にバリューアップできる点を検討しました。新棟建設にかかる資金確保に繋がるような増収・増益施策を立案することができました。次に、理事長と協議を重ねながら、職員へ理事長の想いを見える形で伝えられるように、新棟の構想案(コンセプト)の策定を行いました。新棟の構想案(コンセプト)データに基づいて判断し、アクションを起こすことができた理事長の想いをしっかりと可視化することで、理事長以外の職員も”急性期機能強化と新棟建設”を理解した上で、アクションを起こすことができました。ご支援の中で、新棟建設にかかる資金確保に繋がるような増収策も立案することができ、理事長の想いを実現可能性の高い戦略として決断することができました。